大張偉(Wowkie Da):新年の意味

大張偉(Wowkie Da):新年の意味

Apple Music

大張偉(Wowkie Da)には酔いも覚めるようなホリデーにまつわる秘密がある。「僕はまったくお酒を飲まないのだけど、春節の間はみんなとグラスをかわすんだ。一杯に6時間をかけて、ゆっくりとたしなむんだよ」とApple Musicに語る。 とはいえ、彼は間違いなくフロアの盛り上げ方を知っている。ポップパンクバンドFlowersのフロントマンとして10代で音楽活動を始めた大張偉は、その後、北京のアンダーグラウンドシーンからポップのメインストリームへと移行した。今ではテレビのパーソナリティーとして引っ張りだこで、リアリティー番組やバラエティー番組でロッカー魂を見せている。 だが、彼が北京のルーツを忘れることはない。特に市内のお寺がお祭りで盛り上がる新年の時期はなおさらだ。「お祭りでは見た人が心から幸せになるような、とてもリアルで興味深い伝統的なものがそろうんだ」とApple Musicに語る彼。「それらは、自分が北京出身であることを再認識させ、そして音楽であれ何であれ創りだす作品に、民芸をはじめ伝統的なものを取り入れるべきだと気づかせてくれるよ」。 音楽といえば、大張偉には新年を象徴する楽曲があるそうだ。「街中でChina Dollsやアンディ・ラウの楽曲、Cai Guoqingの"365 Blessings"が聴こえてくるんだ。ああいった曲を聴くだけで、次の年が明るく幸運な一年になるように感じられる。最高だよ」。 春節の名曲と並んで、プレイリストには彼自身の楽曲も含まれている。2014年のヒット曲"Bei’er Shuang"(本当に良い気分、の意)のおかげで、彼はCCTVの『春節聯歓晩会(Spring Festival Gala)』に出演することができ、春節の名曲リストに名を連ねることとなった。「"Bei’er Shuang"はまさにSpring Galaのためにあると思う。だって、僕があの番組に出演することはほぼ不可能なことだから。まるで、あの年の春節に祝福されているような気分だった。番組に出演して、実際に自分が書いた新曲を歌った。それは本当に春節にぴったりだったんだ」。 大張偉はまた、新年向けに別の曲も準備していることを明かした。「"Sa Hua"(花を投げる、の意)という曲で、実は"Bei’re Shuang"と同じ意味なんだ」。「誰もが自身や家族、友人とお祝いできますように、という僕の希望を具体化した曲だよ」。 そしてプレイリストには、彼自身の作品やおめでたい中国の歌に加えて、もちろん、Green Day、ゴールドフィンガー、ジーザス&メリー・チェインなどのロックチューンも並んでいる。「ジーザス&メリー・チェインの"Almost Gold"という曲を選んでいて、この曲をちゃんと理解したわけじゃないけど、ゴールドに近いという意味かな、と思っていて。実は春節はこういう気分なんだよ」。 彼は他にも竇唯(Dou Wei)の"Be good, boy"や吳青峰(Wu Qing Feng)の"Hummingbird"など、中国のロックやポップを代表する楽曲を選んでいる。「"Hummingbird"は僕にとってのリマインダーなんだ。あまりに忙しくて、自分が何をしているのかさえわからなくなってしまうこともあるからね。"What are we after? Why do we keep rushing?(僕らは何を追っているんだ? 僕らはなぜそんなに急いでいるんだ?)"という歌詞を聴くと、本当に心に響くんだ」 。 さらに彼のホリデーには欠かせない、EDMの楽曲も収録された。「休暇中は、誰もがクラブで踊っているかのような毎日を過ごすべきだと思う。かわいいミラーボールを回して、宙で両手を揺らすんだ。このEDMが君の気持ちを盛り上げて、幸せな気分にしてくれるよ」。 大張偉のプレイリストは、幸福とリラックスという2つのテーマに焦点を当てている。彼は、それらがホリデーというものをうまく言い当てていると感じている。「(新年は)旧年の仕事納めを象徴するんだ。一年の中で間違いなく最も幸せでリラックスできる時間であり、将来について心配したり、他のことを考えたりする必要はないんだ」 。 彼は最後にお願いごとで締めくくった。「新年に幸運と健康を願っています!悪運は避けて…できれば近寄らないようにして。そしてもし幸運に恵まれたら、何を選択すれば自分が幸せになれるか、そのための叡智を持っておこう」。