「このプレイリストは、子どもたちのクラシック音楽教育のためのものです」。現代屈指のスターピアニスト、ラン・ランはApple Musicに語る。「早い時期にいい形でスタートを切ってもらえたらと思っています」。ラン・ランがキュレートしたこのプレイリストには、マルタ・アルゲリッチ、ダニエル・バレンボイム、ラン・ランの妻でピアニストのジーナ・アリス、シェク・カネー=メイソン、ミロシュなどのアーティストたちが演奏する“子ども向け”の作品が並んでいる。もちろん、ラン・ラン自身の演奏もフィーチャーされており、曲目もベートーヴェンの「エリーゼのために」からシューマンの「Träumerei（トロイメライ）」、ホルストの『The Planets（惑星）』から「Jupiter」、そして、『メリー・ポピンズ』の「2ペンスを鳩に」までと幅広い。 それらの中には、ラン・ランにとって個人的に大切な曲もある。ジーナ・アリスが歌う「星に願いを」は、ラン・ランの息子ウィンストンをイメージして、声楽とピアノのために特別に編曲されたものだ。「これは息子への、そして、世界中の新生児たちへの贈り物であり、私にとって特別な意味を持つ曲です」と彼は言う。「きらきら星変奏曲」としても知られるモーツァルト『〈ああ、ママに言うわ〉による12の変奏曲 ハ長調』はラン・ランが5歳の時に初めての演奏会で弾いた曲であり、ここにはその主題が含まれている。また、“ブラームスの子守歌”としておなじみの『5 Lieder, Op. 49』の「No. 4, Wiegenlied. Zart bewegt」（ピアノ編）は、ジーナ・アリスが妊娠中にレコーディングしたものだ。「この曲は妊娠中に聴くのにうってつけの穏やかな曲で、お母さんと赤ちゃんをゆったりした気持ちにさせてくれます」。子どもたちはもちろん、大人も一緒に楽しめるプレイリストだ。