

圧倒的なパフォーマンスと耳なじみの良いメロディ、時代のビートメイクでポップシーンの最前線を更新してきたブルーノ・マーズ。オリジナルな存在でありつつ、先人たちのアイデアを丁寧にエディットしていることが何より興味深い。トーキング・モジュレーターヴォイスからタイトなビートまで、大ヒット曲"24K Magic"からはザップ&ロジャーへのオマージュが感じ取れる。また、発声法やダンスの志向性においては、マイケル・ジャクソンの影響を受けていることも明らかだろう。そして何より、エルヴィス・プレスリーやリトル・リチャードのようなロックンロールの先駆者たちが描いた心ときめくポップネス、これを継承できるアーティストは稀だろう。