音楽の都ウィーンを中心に世界各地で演奏を行い、多くのピアノ愛好家から愛されているルドルフ・ブフビンダー。彼はウィーンに縁の深い作曲家の古典を得意とする一方で、近現代の作品も積極的に取り上げてきた。そんな広範なレパートリーの持ち主であるブフビンダーは、どんな作品の演奏においても、常に10種類前後の楽譜を読み比べて研究を行っているという完璧主義者。だが、その演奏は少しも堅苦しくなく、豊かな精神性と歌心にあふれ、荘厳な音世界を作り上げている。また、彼は協奏曲の弾き振りにも力を入れており、自由闊達で創意工夫に満ちた、オーケストラとの掛け合いを聴かせてくれる。