10代ですでにチェリストとして注目されていたヨーヨー・マ。クラシック作品、特にバッハの「The Cello Suites」の演奏は高く評価されている。同時代の作曲家フィリップ・グラスやブライト・シェンなどの作品をはじめ、アルゼンチンタンゴの演奏家アストル・ピアソラの作品もよく取り上げるなど、ジャンルを超えてその才能を惜しみなく発揮。また、シルクロード・アンサンブルという自身のグループでは、シルクロード周辺の音楽を紹介するとともに、新しい音楽スタイルを作り出している。音楽的な関心の広さを現代の文化に結びつける意欲、そしてチェロという楽器の可能性をより広げていく演奏は、一人のチェリストというより、現代文化を先導する芸術家と呼ぶにふさわしい。