

一音一音に深い情感を注ぎ入れながら、心を込めて歌うかのようにチェロを奏でる。1985年にドイツ・グラモフォンと専属契約を結んで以来、同レーベルから優に40作を超えるアルバムをリリースしてきたミッシャ・マイスキーは、間違いなく現代のクラシック界を代表するチェリストの一人だ。 1948年に当時ソビエト連邦の一部だったラトビアで生まれたマイスキーは、幼い頃から並はずれた才能を発揮。ムスティスラフ・ロストロポーヴィチとグレゴール・ピアティゴルスキーという2人の伝説的なチェリストの下で学びながらキャリアをスタートさせた。その後は、ヨーロッパやアメリカの主要なコンサートホールで演奏して大きな称賛を集め、ここ日本での公演も数多く行なっている。 レパートリーも幅広く、特に大切にしている作曲家であるバッハから20世紀の楽曲までを奏で、また、チェロのために編曲された歌曲も多く取り上げている。このプレイリストでも、独奏曲から当代きってのソリストたちと奏でる室内楽、そして、名指揮者や著名なオーケストラとの共演まで、さまざまな編成や楽曲で、マイスキーの説得力あふれるパフォーマンスを楽しめる。