1887年にアーカンソー州で生まれたFlorence Price（フローレンス・プライス）は、米国初の黒人の女性作曲家として広く知られ、音楽史にその名を刻んでいる。またアメリカの主要なオーケストラが最初に演奏したアフリカ系アメリカ人の女性作曲家によるシンフォニックな作品も、Priceの手によるものだった。1933年6月15日、シカゴ交響楽団が当時まだ無名だった彼女の新作『Symphony No. 1 in E Minor』を演奏したのだ。この作品が批評家からも絶賛されたことで、彼女のキャリアは躍進した。交響曲からピアノ曲、歌曲と幅広いジャンルに広がるPriceの作品は、ヨーロッパからやってきたクラシック音楽と、アフリカ系アメリカ人の民謡やスピリチュアル、そして教会音楽のメロディが融合されたもので、実に親しみやすく、魅力的な響きにあふれている。