ヤニック・ネゼ=セガン

カナダ出身のヤニック・ネゼ=セガンは、彼のふるさとを拠点とするモントリオール・メトロポリタン管弦楽団を率い、さらにはフィラデルフィア管弦楽団とメトロポリタン歌劇場の音楽監督を兼任するなどして、北米の東海岸を代表する指揮者の一人として名声を確立した。明るく親しみやすい雰囲気で知られる彼は、Florence Priceの交響曲や、ヴェルディの『ドン・カルロ』のフランス語版といったあまりなじみのないレパートリーを大切にする姿勢でも注目を集めている。 1975年生まれのネゼ=セガンは、ケベック音楽院とウェストミンスタークワイアカレッジで学んだ後、母国でモントリオールオペラの合唱指揮者と副指揮者（1998～2002年）を含む、いくつもの役職を歴任した。2008年からは10年間にわたってロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務め、2018年にはメトロポリタン歌劇場の音楽監督に就任している。そのメトロポリタン歌劇場においては、同劇場が初めて取り上げた黒人作曲家の作品となったテレンス・ブランチャードによるオペラを指揮し、2012年から音楽監督を務めるフィラデルフィア管弦楽団においては、気候変動をテーマにした一連の作品の委嘱を行うなど、ヤニック・ネゼ=セガンは未来を見据えた音楽表現を追求している。