

えり抜きの奏者によって編成されたミュンヘンの公立放送機関に属するオーケストラ。サー・コリン・デイビスやマリス・ヤンソンスといった歴代の首席指揮者らの功績によって、その実力と存在感が確たるものになった。特筆すべきは、グスタフ・マーラーやリヒャルト・シュトラウスら後期ロマン派の作品に秘められた美しさを丁寧に描き出せる恵まれた才能。こうしたドラマチックな側面はベートーヴェン、プッチーニ、カール・オルフらの作品でも遺憾なく発揮される。オーケストラの輝かしいサウンドはヤニク・ネゼ=セガンのような新進気鋭の指揮者にも引き継がれており、多くのリスナーを魅了している。