シャルル・グノー（1818-1893）は、19世紀フランスの作曲家。1859年に初演された "Faust（ファウスト）" の成功によってオペラ作曲家としての名声を確立し、1860年代には相次いで傑作を発表している。グノーの音楽の魅力は、優美で魅力的なメロディ、自然でけれん味のない表情、すぐれた色彩感覚など枚挙に暇がない。彼が残したオペラは、近代フランスオペラの確立に多大な貢献をもたらし、次の世代に活躍したビゼーやマスネにも影響を与えている。彼はまた編曲の分野でも音楽史に名を残しており、中でも J.S.バッハ の "平均律クラヴィーア" の前奏曲に旋律をつけた "アヴェ・マリア" が有名。