はじめての エミール・ギレリス

はじめての エミール・ギレリス

20世紀を代表するピアニストの一人で、鋼鉄のタッチの異名を持つエミール・ギレリス。ウクライナのオデッサに生まれた彼は、1933年の全ソビエト音楽コンクールと、1938年のエリザベート王妃国際コンクールで相次いで優勝。1935年にモスクワ音楽院に入学し、名教師ゲンリヒ・ネイガウスに師事した。戦後は、名手スヴャトスラフ・リヒテルとともに、旧ソ連の演奏家としていち早く西側で活躍。骨太で設計力の高い解釈が持ち味で、そこに澄んだ詩情と歌を巧みに添えたベートーヴェンのソナタは、まさにギレリスの真骨頂だった。1985年に69歳の誕生日を目前にモスクワで逝去するまでに、日本には1957年以降、4度来日した。