Apple Music Awards

2019年、私たちは音楽界において革新的な独創性を持った大胆かつ最高なアーティストを讃えるためのApple Music Awardsを設立しました。毎年、その年の年度末には、一年を通じて最も影響を与えたミュージシャンを讃え、賞を授与し、特別なパフォーマンス、独占インタビューなどの一連のスペシャルイベントを通じてショーを盛り上げます。このアワードで授与されるトロフィーは、アップル社のマイクロプロセッサーに使われている、レーザーカットされたシリコンウェーハを使って製作されています。これまでの常識を覆し、話題をさらった革新的なアーティストたちにスポットを当てるために用意されたユニークな記念品(トロフィー)にも象徴されるスペシャルイベントだ。スクロールダウンして、過去のApple Music Awardsとその受賞者を振り返ってみよう。

アーティスト・オブ・ザ・イヤー:リル・ベイビー

たった4年前、リル・ベイビーはまだラッパーではなかった。2020年、アトランタ出身の彼の特徴的な気だるいフローはあらゆる楽曲で大きな印象を与え、ヒップホップシーンで最も有名な一人として名を知られることになった。2月にリリースされたセカンドアルバム『My Turn』は、ピアノの旋律が響くダークなトラップビートと、メロディックでゆったりとしたラップに満ち、Apple Musicのアルバムチャート部門で数週間にわたって首位を飾った。アルバムには印象的なシングル曲が数多く収録されているが、なかでも「Emotionally Scarred」は今振り返ってみると、彼の次なる動きを予期した曲として一翼を担っていたと言える。今年6月、ジョージ・フロイドとブリオナ・テイラーの死をきっかけに起きた警察への抗議運動でアメリカ中が衝撃を受けると、ベイビーは「The Bigger Picture」をリリース。奮闘する一個人の視点から、アメリカにおける人種差別の歴史と警察による暴行問題に対して反応した。今回の運動とその瞬間を、これほどまで明確に捉えた曲は他にはなかった。ミックステープでデビューを飾った2017年当時から、ベイビーの歌声は人々を魅了し続けてきたが、この2020年は彼にとって、まぎれもなくスターになった年と言えるだろう。

ブレイクスルー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー:ミーガン・ジー・スタリオン

BeyoncéとCardi Bとの共演曲が共に全米ナンバー1となり、ダンスチャレンジの動画がバイラルヒットを記録、ファッション雑誌や美容ブランドとの多くの契約を果たし、仲間やファン、そしてSNSで彼女を知ったあらゆる人から愛されていることからも分かるように、2020年を席巻した人物はミーガン・ジー・スタリオンと言ってもよいだろう。かつてUp Nextに選ばれ、自らを“ホットガール”と称する彼女。今年はさまざまなチャートやソーシャルメディアのフィード、アワードショウのトップを独占し、バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』では「Savage Remix」のパワフルなパフォーマンスを披露するなど、まさにブレイクスルーという言葉にふさわしい一年を送ったのだ。だが今年が彼女の最高潮と思うなかれ。11月20日にデビューアルバムのリリースを迎えるミーガン・ジー・スタリオンの快進撃は、まだ始まったばかりだ。

ソングライター・オブ・ザ・イヤー:テイラー・スウィフト

テイラー・スウィフトは、10年以上の活動を通して数多くの受賞歴を持ち、優れた才能を誇るソングライターだが、今年サプライズリリースされた『folklore』と、その姉妹編である『evermore』のアルバム2作品では、これまでにない強さと共に、マジカルな音楽の力が発揮されている。新型コロナウイルスによるパンデミック最中の数か月間で、The Nationalのアーロン・デスナーとジャック・アントノフらとの共同制作の下、作曲とレコーディングが行われた。どちらのアルバムも過去作品で見られたような、ラジオ向きの、チャートのトップできらめくようなポップな路線からは離れ、楽曲からさまざまな装飾をそぎ落とし、ミニマルなインディーフォーク調のサウンドを配した。三角関係にまつわる愛や、幽霊やトラウマなど、いくつもの視点を内在させた思慮深い物語を紡ぎ出したこのアルバムは、彼女のキャリア史上最も奥深く、鮮やかな音楽と歌詞の数々を刻んだ作品となった。

トップ・ソング・オブ・ザ・イヤー:「The Box」ロディ・リッチ

“ティン・マン”と発する、しゃがれた声だろうか。それとも汚れたワイパーの音だろうか。 コンプトン出身のラッパー、ロディ・リッチの「The Box」冒頭で聞こえる、キーキーと無機的に鳴っている2つの音の正体が何なのかは知るよしもないが、それがどんな印象を曲に与えているかはすぐに分かるだろう。歌い紡がれるようなラップのループと、耳から離れないシャウトするフックを軸としたこのシングルは、爆発的なヒットを起こし、今年最もビッグで人気のある曲となった。Apple Musicでは現在に至るまで世界中で4億6千万回以上の再生を記録し、無数のミームを生み出し、2020年にリリースされた他のどんな曲よりも、さまざまなチャートのトップで長く君臨し続けた。

トップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー:『Please Excuse Me For Being Antisocial』ロディ・リッチ

シングル「The Box」の記録的な成功に推されたこともあって、ロディ・リッチのデビューアルバム『Please Excuse Me For Being Antisocial』は現在に至るまで、Apple Musicで15億回以上再生されるまでに駆け上がり、彼は西海岸のラップシーンで最も著名な顔の一人となった。Apple Musicでの首位独占に加え、ビルボード・アルバムチャートとシングルチャート部門でも同時に初登場1位を記録。このダブル制覇は、2005年におけるカニエ・ウェスト以来の快挙となった。一曲のヒットで終わることなく、3分間という曲の時間を超えて注目されるに値するアーティストであると、ロディ・リッチは本アルバムを通して見事に証明したのである。