ZIGGY

華やかでアップテンポなハードロックと、歌謡曲の親しみやすさを持ったメロディに伸びやかなボーカル。ZIGGYは、1984年に森重樹一（Vo）を中心に結成し、1987年にアルバム『ZIGGY～IN WITH THE TIMES～』でメジャーデビューした。当時のアメリカやヨーロッパでのハードロック／ヘヴィメタルムーブメントと呼応する形で、バンドは人気を博していった。大きなきっかけとなったのは1988年のシングル「GLORIA」だ。リリース後、ドラマ主題歌に起用されたことにより1989年に再びシングルカットされ、ZIGGYの名を広く知らしめる一曲となった。しかし、陽性のギターリフと歌謡曲的なメロディがキャッチーな「GLORIA」はあくまでバンドの一面にすぎない。4作目のアルバム『KOOL KIZZ』（1990年）では、ワイルドでドライブ感のあるロックンロールの魅力を前面に押し出し、5作目のアルバム『YELLOW POP』（1992年）では一転して遊び心あふれる豊潤なポップワールドを展開。6作目のアルバム『ZOO & RUBY』（1993年）では、アレンジやハーモニーにこだわり、1960年代のマジカルなポップを落とし込むなど、その後も作品ごとにバンドの音楽的な懐の広さを見せていくことになる。キャリアの中ではメンバー交代や、SNAKE HIP SHAKES名義での活動もあったが、2002年にはZIGGYとして『HEAVEN and HELL』『HEAVEN and HELL 2』の2作のアルバムでカムバック。前者はパンク／ロックンロール、後者はバラードなどのミドル／スローテンポな楽曲とそれぞれにバンドの持ち味を凝縮させた。以降、活動休止と再開を経ながらも作品を重ね、2018年には、華やかなハードロック回帰作となるアルバム『ROCK SHOW』を発表。そして今もなお、ノイジーにポップに転がり続けるロックンロールを奏で、ZIGGYは走り続けている。