

100 Best Albums

- 1994年4月19日
- 10曲
- I Am... · 1999年
- It Was Written · 1996年
- Hip Hop Is Dead (Expanded Edition) · 2006年
- Illmatic · 1994年
- God's Son · 2002年
- Illmatic · 1994年
- It Was Written · 1996年
- Illmatic · 1994年
- Illmatic · 1992年
- Illmatic · 1994年
必聴アルバム
- 1994年のデビューアルバム「Illmatic」で一躍シーン屈指のリリシストになったNasが、1996年にリリースしたセカンドアルバム。ローリン・ヒルと共演した"If I Ruled the World (Imagine That)"をはじめとして、AZやフォクシー・ブラウン、CORMEGAらと結成したThe Firmをフィーチャーした"Affirmative Action"、ドクター・ドレーをプロデューサーに迎えた"Nas Is Coming"など、豪華なゲストが参加している点が特徴だ。もちろん、彼自身のラッパーとしての切れ味もますます研ぎ澄まされて、ストリートの現実を卓越したライミングと詩的センスを駆使して生々しく描き出す"The Message"や"Street Dreams"など聴きどころが多く、余裕すら感じさせる充実した仕上がり。前作は高い評価を受けながらも商業的には全米12位止まりだったが、今作では見事に全米1位に輝き、名実ともにシーンを代表するラップスターの仲間入りを果たした。
- デビューアルバム『Illmatic』の4曲目で、Nasはリスナーに「世界は君のもの(The world is yours)」と告げた。だが、それは正しくない。ラップ評論の世界が断言するように、実のところ、世界はNas自身のものだったのだ。Nasは才能の宝庫だったニューヨークのロングアイランドシティにある低所得世帯向け団地、クイーンズブリッジから誕生した、ラップの神童なのだから。『Illmatic』は知る人ぞ知る名盤としてすぐに認められてはいたが、ヒップホップシーン全体に与えた大きな影響が十分に評価されることになったのは、それから数年経ってのことだった。 Nasはラップという芸術形式の中で、これまでに聴いたことのないようなフレーズや視点の転換を導入している。「My mic check is life or death, breathing a sniper's breath(俺のマイクチェックは生きるか死ぬか、スナイパーのように息を吸う)/I exhale the yellow smoke of buddha through righteous steps(正義の歩みをしながら、俺は仏の黄色い煙(マリファナとのダブルミーニング)を吐く)」と彼は「It Ain’t Hard to Tell」でラップする。サンプルを多用した『Illmatic』のサウンドは、DJ Premier、Large Professor、Qティップ、ピート・ロック、そしてL.E.S.という、才能あふれるプロデューサー陣が集結したドリームチームによるもの。このラインアップは、一人のプロデューサーが一つのアルバムを手掛けることが当たり前だったヒップホップシーンの長年の伝統を打ち破るのに貢献した。彼らは、アンダーグラウンドのヒップホップから前衛的なジャズヒップホップといった1990年代のニューヨークサウンドを定義し、統一したビジョンを提示している。
- 2020年
- 2023年
- 2023年
- 2022年
アーティストプレイリスト
- ヒップホップ史に語り継がれる希代の才能が集めるリスペクトの数々。
- 若くしてシーン屈指のリリシストとなったラッパーの音楽ルーツをたどる。
- 世界を駆け巡った伝説的ツアー。ニューヨークのレジェンドたちが披露した名曲の数々。
ベストアルバム、その他
- ジョン・レジェンド & Florian Picasso
もっと聴く
- Nasからニッキー・ミナージュまで、ヒップホップの聖地クイーンズとは。
Nasについて
どのジャンルでも、音楽の真髄は作品の完成度を追求し続けることで生まれる。Nasの場合、1994年のファーストアルバム『Illmatic』でヒップホップの最盛期を築いた。1973年、ニューヨークシティでジャズミュージシャンの父オル・ダラの下に生まれたNas(本名Nasir Jones)は、先述のデビューアルバムでヒップホップを再定義し、構造的貧困の話題を、入り組んだ地元の事情を描いたリリックに書き換えて、ブーンバップスタイルを成熟させた。1996年にリリースされたセカンドアルバム『It Was Written』では、陰鬱なマフィアラップに再び息を吹き込み、音楽界における犯罪を鋭くえぐり出し記録する第一人者としての地位を確立した。2001年の『Stillmatic』でもそうした立場を鮮やかに継承している。このアルバムでは、「Rewind」の巧みに構成されたリリックや「One Mic」でのほとばしるようなスペクタクルなど、新たなスタイルを打ち立て、ラップの中でストリートの日常を記録するという他のラッパーにはない才能を発揮。クイーンブリッジの低所得住宅のヒーローから、聡明な社会派ドキュメンタリー作家へと進化したNasは、寓話性に富んだ複雑なライムに市民の声を詰め込んで、2000年代を通してレガシーを増幅させていった。レゲエ界の御曹司ダミアン・マーリーと組んで2010年にリリースした傑作『Distant Relatives』で勢いに乗った後、2012年には洗練された『Life Is Good』を発表し、黄金期から壮年期の悟りを得て、今に至る。そんなNasの魅力は2020年のアルバム『King's Disease』でも継承されている。30年にわたる影響力を振り返り、NasはApple Musicにこう語った。「俺は十分恵まれていた。自分の中に才能を見いだし、それを磨き上げて世界に示し、そこに光が当たったんだから」
- 出身地
- Brooklyn, NY, United States of America
- 生年月日
- 1973年9月14日
- ジャンル
- ヒップホップ/ラップ