レディオヘッド

必聴アルバム

  • In Rainbows
  • Kid A
  • OK Computer
  • The Bends

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レディオヘッドについて

レディオヘッドは、バンドという存在を超えたシンボルであり、ロックにおける大衆性と実験性が両立できることを体現してきた。純然たるアートにも、アリーナ向けのロックにも変化できるのだ。彼らが両者の隔たりを埋めた最初のバンドとはいえないにしても(先達のデヴィッド・ボウイに加え、ピンク・フロイドやビートルズが成し遂げている)、最も妥協がなかったのはレディオヘッドなのかもしれない。クラウトロック、20世紀のクラシック音楽、テクノ、アンビエントといった、ポップとはかけ離れた世界へとリスナーを引きずり込もうとするその音楽は、ほとんど挑戦のようにも感じられた。キャピトル・レコードのとある重鎮が2000年の『Kid A』のリリースに際して口にした通り、果たすべきはレディオヘッドを中心へ押しやることではなく、中心を彼らの方へ近付けることなのだ。1985年にイギリスのオックスフォードシャーでこのバンドが結成された時、メンバーはまだ10代だった。バンド練習日に由来した“On a Friday”が最初のバンド名で、後の彼らの傾向と比べれば随分と直球のスタイルだったようだ。やがてジョイ・ディヴィジョン、ザ・スミスなどイギリスのポストパンクや、R.E.M.、Pixiesといった初期のUSインディーロックに影響を受けた彼らのサウンドは、当初彼らがシーンに迷い込んでしまったグランジと一緒くたにされた。今となっては信じがたいが、1990年代のギターロックシーンを代表する重要曲となった「Creep」がヒットしたのは、リリースから1年近く経ってからのことである。バンドはこの曲によって、U2が提唱するオルタナティブアンセムの後継者という役割を新たに担うようになった。その後、1997年の『OK Computer』を始まりに、アルバムの発表ごとにその野心を増していき、従来型のロックバンド像からは限りなく逸脱しながらも、オーディエンスをつなぎ止めていた。そのバランスを保てたのには、シンガーのトム・ヨークによる貢献が大きかったようだ。彼は疎外感のある政治的なテーマを不気味なほど親しみやすく、居心地の良いものにしてみせた。結成から数十年を経てもなお、彼らは2011年の『The King of Limbs』のリズミカルな瞑想性から、2016年の『A Moon Shaped Pool』のストリングスに彩られた牧歌的ともいえる不安感まで、さまざまな変化を続けている。音楽制作において実験的であった彼らは、そのプレゼンテーションにおいてもかなり型破りなやり方を貫いてきた。例えば『Kid A』はインターネットを通して宣伝された最初のアルバムの一つであり(最後までシングルが出されなかった)、2017年の『In Rainbows』は、購入者が価格を決めるというシステムでダウンロード販売され、それは彼らのような規模の大きなバンドにとっては前代未聞のやり方だった。そして2017年に『OK Computer』がリリース20周年を迎えた時、それが名作でありながら、なおも未知の世界へ突き進み続けているという点で、レディオヘッドはほとんど誰もなし得ないレベルに到達したのだった。

出身地
Oxford, England
結成
1985年
ジャンル
オルタナティブ

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