必聴アルバム
- 1990年代、レゲエカルチャーが根付く英国の港町ブリストルを中心にディープなサウンドが多く輩出された。マッシヴ・アタックは同地を代表するアーティストで、本作は彼らのキャリアを象徴する1998年のアルバム。ダンスビートの要素を排除し、徹底してミニマルなサウンドに、ダブ/レゲエ、アンビエントやヒップホップなどを落とし込んだダークでクールな世界観と、圧倒的な解像度を持ったサウンドでリリース当時、衝撃的な作品として絶賛された。不穏なベースラインから閃光が放たれる「Angel」、コクトー・ツインズのエリザベス・フレーザーの歌声がマッチングして感動的な美しさを見せる「Teardrop」、レゲエ界の至宝ホレス・アンディをフィーチャーした「Man Next Door」と、色あせない名曲が並ぶ大傑作。
- カリブ系移民によってブリストルに持ち込まれたレゲエミュージックと、勃興期にあったUKラップにインスパイアされたDJ/MC集団マッシヴ・アタック。彼らはマリファナの煙のようなパラノイア的空気と、卓越した明瞭さをミックスしたサウンドで新たな美学を築いた。不安と調和の間に生じる緊張感がこのデビューアルバム全体を貫いているが、それは本作で最も有名なナンバーである「Unfinished Sympathy」でピークに達する。甘美なストリングスのオーケストレーションと不気味なボーカルサンプリング、そして報われない愛を嘆くシンガー、シャラ・ネルソンの歌声を組み合わせた同曲で、マッシヴ・アタックは癒やしと動揺を同時にもたらす5分間のソウルミュージックを作り出した。 彼らはその後、“トリップホップ”と呼ばれるレイドバックした新たなジャンルのイノベイターとして、多くの模倣者といくつものチルアウトなプレイリストを生み出した。しかし、『Blue Lines』にはリラックスした雰囲気はない。多幸感にあふれるメロディの中には不吉なボーカルがあり、グルーヴの間をいびつなベースラインがうごめく。ここには常に、何かにおびえるような不安感が付きまとうのだ。
アーティストプレイリスト
ベストアルバム、その他
マッシヴ・アタックについて
- 出身地
- Bristol, England
- ジャンル
- エレクトロニック
