ヒップホップ、R&Bを軸に広がるジャンルレスな楽曲センスと、演歌や歌謡曲から吸収したこぶしを自然に織り交ぜた高い歌唱力が支持を得ているラッパー。2004年、神奈川の湘南に生まれたLANAは、かつてシンガーを志した母親から歌を教わり、ポップスから演歌、沖縄民謡まで、幅広い音楽に触れて育った。失恋をきっかけに、実兄であるラッパーのLEXに勧められて録音した音源がネット上で話題となり、2020年「IM NOT HER (feat. LEX)」を発表。当初はアーティストを志していたわけではなかったが、音楽制作に没頭する兄へのリスペクトの気持ちや楽曲に対するリアクションに後押しされ、2022年、シングル「FLAME (feat. LEX, Saru jr.Fool & taisyov)」をリリースした。 トラップやジャージークラブ、バイレファンキといったジャンルレスなビートをしなやかに乗りこなすシームレスな歌とラップ。そして、ハスキーボイスが紡ぐ普遍的なメロディに乗せて届けるのは、貧しい環境に育ち、不登校の期間も長かった自身の経験や悩みをつづったありのままのリリックだ。2023年にリリースした初のEP『19』は、ヒップホップ、R&Bを主軸に置きつつ、その根底にはジャンルを超えた幅広いリスナーを引きつけるエナジーが強く感じられる。ストリートからメインストリームへ、大きな可能性に満ちたLANAは歩を進める。