おすすめプレイリスト

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必聴アルバム
- 後期の一連の弦楽四重奏曲と同様に、ベートーヴェン最後の5つのピアノソナタは新たな領域に踏み込んだ様式を持っている。その中でイ長調の第28番は最も伝統的なスタイルを取った作品だが、強烈な第29番『Hammerklavier』につながる情熱の発露を感じさせるものであり、本作をレコーディングした時、まだ20代の半ばだったIgor Levitは自信にあふれた演奏で楽曲に輝きを与えている。第30番、31番、32番の3つのソナタでは、集中して緻密に楽曲を磨き上げたベートーヴェンの姿を垣間見ることができ、そして長く力強い最終楽章でこの作曲家の核心的なメッセージが提示される。彼にとって特別な意味を持っていたキーである、ハ短調による最後のソナタ第32番は、通常より少ない2つの楽章で作品が構成され、ベートーヴェンはジャズを先取りしたかのようなリズムを重視した音楽語法を追及している。崇高なる楽曲を卓越した演奏で堪能できるアルバムだ。
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは時代を象徴する天才ピアニストとして音楽史に残る作品を生み出し、ピアノ音楽の未来に多大な影響を与えた。彼の最も有名なピアノ協奏曲 “皇帝(Emperor)” は彼の中期時代の最高傑作であり、後期の作品 “ピアノソナタ第28番(Sonata No. 28)”、 “月光ソナタ(Moonlight Sonata)” の第一章と共にこのアルバムに収録されている。フランス出身のピアニスト、エレーヌ・グリモーは繊細ながらも力強いパフォーマンスで、ベートーヴェンの代表作品を表現した。
- 本作は疑うべくもなく史上最高の録音作品の一つであり、レコーディング当時と変わらず現在も強い説得力をもってリスナーの心に響いてくる。1975年にこのアルバムがレコード店に並ぶや否や、その際立って素晴らしい内容に対して称賛の嵐が吹き荒れたのも当然だろう。偉大な指揮者エーリヒ・クライバーの息子でもあるカルロス・クライバーは、本作によって希代の才能を持つ音楽家としての評価を確かなものとした。誰よりもスコアを知り尽くし、楽曲にすっかり慣れているオーケストラからみずみずしく新鮮な響きを引き出すことは全ての指揮者が苦心するポイントだが、クライバーはそれを見事にやってのけている。演奏は最初の小節からはじけるような輝きを見せ、大きく波打つように進行していくが、同時にしっかりと制御されている。その様はまるで魔法だ。『第7番』においても『第5番』と同じように、とてつもないエネルギーを放つ、驚くほど優れた演奏を聴くことができる。
- ベートーヴェンの多くの楽曲が音楽の歴史を変える革新性を持っている。1806年に初演されたベートーヴェン唯一のバイオリン協奏曲であるOp.61も同じく、“バイオリン協奏曲”という形式に対する認識とスケールを大きく変革する作品だった。第1楽章の約25分間という演奏時間は、モーツァルトのほとんどのバイオリンコンチェルトの全楽章がすっぽり収まる長さだ。もちろん、ポイントは曲の長さだけではない。この作品は協奏曲でありながら交響曲的な壮大さを持ち、作品全体で重厚感のある音楽的メッセージを発している。おそらくこれはロマン派の作曲家による最初の偉大なバイオリン協奏曲といえるもので、この歴史的名作の真価は、1981年にレコーディングされてグラモフォン・アワードを受賞したイツァーク・パールマンのバイオリンとカルロ・マリア・ジュリーニの指揮による本作からも余すところなく伝わってくる。パールマンは彼らしいスタイルと優れたセンスによって情感にあふれたドラマティックな演奏を披露し、ジュリーニも絶妙なパートナーぶりを発揮している。これこそ一流のパフォーマンスだ。
参加作品
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンについて
際立って強力な創造性を発揮した作曲家として音楽史にその名を刻むルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、1770年にテノール歌手の父親の下、ドイツのボンで生まれた。幼いころ、ピアニスト/即興演奏家としての並外れた才能で、貴族をはじめとするふるさとの聴衆を驚愕(きょうがく)させたベートーヴェンは、プロフェッショナルとしてのより大きなチャンスにあふれているウィーンに引かれるようになる。そして1792年にはこの憧れの地に居を構え、ハイドンらに師事した後、ピアニスト/作曲家として自立した。ベートーヴェンは卓越した演奏技術、そして深い情感とエネルギッシュなリズムを兼ね備えた楽曲で、すぐにその名をヨーロッパ中に轟(とどろ)かせる。1804年には九つの交響曲のうちの第3番『Eroica(英雄)』を完成させ、交響曲というジャンルの枠を一気に拡大した。そしてベートーヴェンはその後10年の間に、さらなる五つの交響曲と、『Piano Concerto No. 5 “Emperor”(皇帝)』『Triple Concerto(三重協奏曲)』『Violin Concerto』を含む四つの協奏曲、そして完成までにおよそ10年の年月を費やした唯一のオペラ『Fidelio(フィデリオ)』を書き上げ、他にもオーケストラや室内楽、ソロピアノのための楽曲などを多く作曲した。やがて聴力が落ちたことでピアニストとしての活動は不可能になったが、それでも作曲はできることに気が付いた彼は、1827年に亡くなるまで、さらにいくつもの名曲を書いている。その中には“第九”こと『Symphony No. 9』、合唱とオーケストラのための壮大な作品『Missa Solemnis, Op. 123(ミサ・ソレムニス)』、そして、弦楽四重奏曲の第12番から第16番、ピアノソナタの第27番から第32番といった歴史的名作も含まれている。
- 出身地
- Bonn, Germany
- 生年月日
- 1770年
- ジャンル
- クラシック