アーティストプレイリスト
- 1950年米国フロリダ州生まれ。1970年結成した Mudcrutch でデビュー、後にザ・ハートブレイカーズへと発展した。1976年発表したデビューアルバムが静かな話題を呼び、1979年の3作目「Damn The Torpedoes」で本格的ブレイク。バーズを始めとするルーツロックへの愛と、パンク以降の反骨精神を持ち合わせるサウンドで、コンスタントにヒットを重ね続け、1989年にソロ名義で発表した「Full Moon Fever」が自己最大のヒットとなった。ジョージ・ハリスン、ボブ・ディランらと結成した覆面バンド、トラヴェリング・ウィルベリーズとしても活躍。このプレイリストで、彼の長きに渡る活躍を総括してみよう。
- ザ・ハートブレイカーズ時代の土臭いブルージーなメロディに時代のフレイバーを加えたサウンド、そしてソロでのルーザーたちの希望を歌う姿、その両方がトム・ペティの魅力といえる。サザンロックの粗野な魅力に印象的な旋律を重ねるザ・ジョージア・サテライツからキングス・オブ・レモンへの継承、カントリーの枯淡にパンキッシュな躍動を載せるスティーヴ・アールから The War on Drugs へと続く道、そして温故知新のロックンロールを奏でる The Strokes まで、トム・ペティの遺伝子を受け継ぐものたちがここに連なる。
- ときにパンキッシュに、ときにつぶやくように歌うシンガーとしての魅力を楽しむ。
- アメリカが生んだロッカーの中でも最高峰に位置する一人、トム・ペティのライブ音源をコンパイル。人々へ本物のロックンロールを届けることに何よりも力を注いでいた彼だが、そのためには、大観衆の前で生のサウンドを聴かせることがベストな方法だった。ザ・ハートブレイカーズを従えた時代と、ソロキャリアに入って以降の、それぞれのステージからまとめ上げたこのプレイリストで、魂がほとばしるパフォーマンスを体感しよう。聴くものの心をつかむリフで盛り上げる「You Wreck Me」や、ズシリと聴きごたえのある名曲「Refugee」などでは、オーディエンスが熱狂する様子が目に浮かぶようだ。
- 80年代、全米のチャートに商業的ポップスが乱立した時代に、60年代から連なるアメリカのロックヒストリーを凝縮したサウンドの魅力を伝えてきたトム・ペティ。バンド黎明期に憧れ、曲もカバーしたザ・バーズにはじまり、バンドごと見事なバッキングを務めあげたボブ・ディラン、レーベルオーナーとしてトム・ペティを発掘したレオン・ラッセル、そしてトラヴェリング・ウィルベリーズで共に活動したジョージ・ハリスンのビートルズにいたるまで、影響をうけた音が、そのまま血肉となっているのがはっきりと見て取れる。