

必聴アルバム
アルバム
アーティストプレイリスト
シングル&EP
ライブアルバム
ベストアルバム、その他
ア・トライブ・コールド・クエストについて
芳醇なプロダクション、独創的なライム、風変わりな個性を携えたア・トライブ・コールド・クエストは、1990年代の伝説的な活動期間中にヒップホップのルールを刷新し、その後何十年にもわたってアーティストたちが従う型を作り出した。クイーンズで生まれ、子どものころから友人だったQティップ、ファイフ・ドーグ、アリ・シャヒード・ムハマド、ジェロビ・ホワイトの4人は、1980年代の後半にグループを結成。後にクイーン・ラティファ、ジャングル・ブラザーズ、デ・ラ・ソウルといったアフロセントリックなアーティストたちと組んで“ネイティブ・タン”と呼ばれるコレクティブを創った。彼らは、 グローヴァー・ワシントン・Jr.、スティーヴィー・ワンダー、 スライ&ザ・ファミリー・ストーンといったジャズ、ソウル、ファンクからのサンプリングと、洗練されたユーモアで現代人の生活を描写したライムを融合して、異なる世代を結び付けた巧みなアフリカン・ディアスポラ音楽を築いた。生楽器を使ってプロデュースされ、刺激的なリリックのケミストリーをまとっていた「Bonita Applebum」(1990年)、「Check the Rhime」(1991年)、「Scenario」(1991年)といった曲は、ギャングスタラップの過剰なマスキュリニティ(男らしさ)に異議を申し立てた。アルバム『The Low End Theory』(1991年)と『Midnight Marauders』(1993年)は、オルタナティブなラップを切り開き、後にカニエ・ウェスト、Pharrell Williams、ザ・ルーツなどが、彼らの影響によってヒップホップのかつての路線から外れたと語っている。ア・トライブ・コールド・クエストは続く2作でデトロイト出身の名プロデューサー、J Dillaの協力を得た後、1998年に、それぞれがソロ活動に集中するために解散。しかし、それから20年近く経ってファイフ・ドーグが他界し、残されたメンバーたちはアルバム『We Got It from Here... Thank You 4 Your Service』で再結成を果たした。タイムリーなことに、復帰作はブラック・ライブズ・マター運動が芽生える最中で制作され、2016年にドナルド・トランプが大統領に選出された週にリリースされた。アルバムは外国人恐怖症や個人的な喪失といった題材を取り上げながら、彼らが残してきた喜びをつかみ取っていた。それは彼らの多面的なレガシーにふさわしい追悼であった。
- 出身地
- Queens, NY, United States
- 結成
- 1985年
- ジャンル
- ヒップホップ/ラップ