ずっと真夜中でいいのに。
ずっと真夜中でいいのに。

ずっと真夜中でいいのに。

ずっと真夜中でいいのに。について

真夜中に届く、秘密の暗号のようなメッセージ。ずっと真夜中でいいのに。の歌は、現代を生きる人々の心に深く突き刺さる。

その快進撃は、一本のミュージックビデオから始まった。2018年、動画投稿サイトにアニメーションを用いた「秒針を噛む」の映像が突如アップされ、ネットを騒然とさせた。そこに描かれていたのは、規律や時間に支配され、胸の内を明かすこともなく、息詰まるような日々を送る少女の物語。閉塞的な歌世界に反して、その歌声はクリアで美しく、複雑に入り組んだメロディを軽やかに紡いでいく。

「秒針を噛む」のミュージックビデオは驚異的なスピードで再生回数を伸ばし続けたが、彼らに関する情報はほとんど明かされずにいた。分かっているのは、シンガーソングライターのACAねを中心に結成したユニットであるということ。そして、ACAね以外の正式メンバーは一切公表されず、楽曲ごとに多彩なサウンドプロデューサー/ビジュアルクリエイターと手を組みながら制作をしているということ。ずっと真夜中でいいのに。は謎に包まれた存在のまま、2018年11月にミニアルバム『正しい偽りからの起床』でメジャーデビューする。

ミュージックビデオに重きを置いた活動や、複雑で高度なメロディメイクなどから、このユニットはボーカロイドカルチャーに出自を持つと考えられた。けれど音楽性はその域にとどまらず、猛スピードで進化を遂げていく。2019年リリースのミニアルバム『今は今で誓いは笑みで』ではロックやファンク、ヒップホップ、アフロビートといった多様なジャンルをそしゃくし、鮮やかなポップに変換。次なる音楽シーンを切り開いていく存在であることを証明した。

ACAねの紡ぐリリックも強烈なインパクトをもたらした。それは真夜中、一人きりの部屋でふとこぼれたつぶやきのようにリアルで、切実なエモーションをたたえていた。造語や当て字を頻繁に用いて言葉遊びをするように自由な形式で書かれた歌詞は、いかなる解釈も可能で、リスナーはそれぞれの視点で独自に読み解くことができる。その自由度の高い歌が、複雑な現代社会を生きる人々の孤独な心に寄り添った。

2021年、アルバム『ぐされ』を発表するタイミングで、ACAねはApple Musicにこんなメッセージを寄せた。

「繰り返す生活の中で共感できたらいい
違うは違うでそれで良し」

この潔く、懐の深い言葉が、このユニットのスタンスを表しているといえるだろう。共感も違和感も、リスナーそれぞれが感じるままに受け取れる。だからこそ、ずっと真夜中でいいのに。の歌は、世の中に広く深く浸透していくのだ。

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