Wagner: Wesendonck Lieder - EP

Wagner: Wesendonck Lieder - EP

ジョイス・ディドナートは、エコロジーをテーマにした2022年のアルバム『EDEN』で、ワーグナーによる『Wesendonck Lieder(ヴェーゼンドンク歌曲集)』の第4曲「Schmerzen」を取り上げ、ワグネリアンであることを明らかにした。このEPでは残りの4曲を含む全5曲を、温かく表現力豊かな歌唱で聴かせてくれる。ワーグナーは、Mathilde Wesendonck(マティルデ・ヴェーゼンドンク)によるこれらの五つの詩に曲を付けるのと並行して、オペラ『Tristan und Isolde(トリスタンとイゾルデ)』を書いた。『Wesendonck Lieder』のうちの2曲「Träume(夢)」と「Im Treibhaus(温室で)」はこのオペラと密接に関係しており、特に思慕と苦悩に満ちた「Im Treibhaus」は、『Tristan und Isolde』の重要な素材となっている。ディドナートは、「Träume」に象徴される通り、これらの歌曲を親密で優しい雰囲気で歌い、その豊かでしなやかな歌声は、ピリオド楽器アンサンブルIl Pomo d’Oroによる精妙な響きの伴奏に包まれている。