

世界的なパンデミックが起こった時、多くの人は混乱の中に親しみを求め、繰り返す日常に安らぎを見出した。ピアニストのシモーヌ・ディナースタインは、このアルバムでリフレイン(アルバムタイトルの『Undersong』は、古語で繰り返す歌、伴奏曲の意)のアイデアをもとに独創的なプログラムを構成し、反復される楽曲にある隠された意味を探求し示唆する。クープランの「Les Barricades Mystérieuses」は、美しく繊細な旋律の繰り返しである一方、エリック・サティの個性が際立つ『3 Gnossiennes』からの「Lent」では、和声と旋律の反復により緊張感と催眠的な雰囲気を醸し出す。ロベルト・シューマンの穏やかな「Arabesque」と偉大なる傑作『Kreisleriana』は、葛藤や暗中模索する中にも、きらめく一瞬の心の平安が描かれている。そしてディナースタインは、まるで旧友が戻ってきたかのように、クープランの魅惑的で色褪せない小品でアルバムの幕を閉じる。