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ピアノとギターによる美しい音の対話に魅了される傑作。1961年スコット・ラファロ(B)が交通事故で死去し、失意の底にあったビル・エヴァンスは、1962年再出発の試みとして、ギタリスト、ジム・ホールとのデュオアルバムの録音にて、ピアノトリオによるインタープレイの方法論をギターで試みた。スローバラードをアップテンポに変更し、会話をするようにアドリブが絡み合う"My Funny Valentine"やピアノとギターが1つの楽器のように共鳴する"I Hear a Rhapsody"に"Darn That Dream"など、素晴らしい相性の名演で、両者にとってキャリアの転機となる重要な作品となった。このアルバムの成功により、1966年には続編「Intermodulation」を制作し、ジャズ界でピアノとギターのデュオという演奏スタイルが定着した。