1999年生まれのLucienne Renaudin Varyは8歳にしてル・マン音楽院に入学し、クラシックのトランペットとジャズを学んだ。これら二つの側面が彼女の音楽性の本質を形作り、相互に作用しながら、その驚異的な演奏技術と、屈指の美しさを誇る音色を育んできたのだ。Varyは本作で、四つの歴史的作品へのあふれる愛を思う存分表現している。Nerudaの『Trumpet Concerto』では元々バルブの無いホルンのために書かれたメロディを優雅なカデンツァで補い、ハイドンやフンメルによるおなじみの協奏曲ではトランペットが持つ声楽的な性質を引き出すなど、説得力のある演奏を聴かせてくれる。さらにVaryの魅惑的な解釈によるパフォーマンスは、Alexander Arutiunianによる『Trumpet Concerto』の燃えるような情熱と優しいリリシズムのいずれをも鮮やかに描き出し、アメリカのビッグバンドのリーダー、Harry Jamesが作曲した『Concerto for Trumpet』のブラスのためのアレンジにおいては、そのゴージャスなサウンドの中で、彼女の演奏のクオリティがさらなる高まりを見せている。