ザ・スミスの最高傑作との呼び声も高い1986年のサードアルバム。モリッシーの歌詞とジョニー・マーのソングライティングがそれぞれにピークを迎えていた時期に充実したコラボレーションが行われた作品で、『Meat Is Murder』よりも肩の力が少し抜けているように聴こえるのは、2人の作業があうんの呼吸で進んだからだろう。歌とギターがスリリングなカウンターを成す「Bigmouth Strikes Again」や、モリッシーの移り気なファルセットをマーのアルペジオが柔らかく包み込む「The Boy With the Thorn In His Side」など、エバーグリーンな名曲が目白押し。「君の隣で死ねたなら、これ以上幸せなことはない」と歌う「There Is a Light That Never Goes Out」は、ザ・スミス時代の詩人モリッシーの極点ともいえる。社会になじめず、頭でっかちな自意識と疎外感を抱えて苦悩する思春期に寄り添うこのアルバムは、今もなお救いの聖典であり続けている。このアルバムはApple Digital Masterに対応しています。アーティストやレコーディングエンジニアの思いを忠実に再現した、臨場感あふれる繊細なサウンドをお楽しみください。