世界を舞台に活動するピアニスト、上原ひろみの新たなプロジェクト“上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット”による意欲作。上原ひろみは新型コロナウイルスの感染拡大により、自由なライブ演奏が出来なくなった音楽業界を救済するため、2020年からライブシリーズ“SAVE LIVE MUSIC”をブルーノート東京で開催。また自身のSNSで世界中のミュージシャンとリモートで共演する“One Minute Portrait”を発表するなど、精力的に活動を続けた。彼女の新プロジェクトによるこのアルバムは、それらの企画で生まれた楽曲をメインに、ピアノと弦楽四重奏という構成で演奏された。共演するのは新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターを務める西江辰郎を中心としたストリングカルテット。編曲も彼女自身が手掛けており、4パートで構成されたモダンなブルースの組曲『Silver Lining Suite（「アイソレーション」「ジ・アンノウン」「ドリフターズ」「フォーティチュード」）』や、“One Minute Portrait”で発表された楽曲、そして「11:49PM」のカバーなどが収録。ピアノと弦楽が響き合い、繊細さと躍動感を高次元で表現、作曲家／編曲家としての才能を存分に発揮する内容となった。“困難を乗り越えれば、必ず希望の光が差し込んでくる”という力強いメッセージを受け取ることが出来るだろう。