「70年代-僕たちの時代」というサブタイトルを持つコンセプト作である。「プログレス・アンド・ハーモニー」「イージー・ライダー」といった時代性を示す曲名に見られる通り、1979年発表の本作はこのバンドのスタイルで1970年代を総括するという壮大なテーマを掲げており、そこには彼らの詞を手掛ける奈良橋陽子のメッセージが込められている。作曲はタケカワユキヒデ(Vo)とミッキー吉野(Key)が分担して手掛けており、洗練された熟練のバンドサウンドや美しくも高度なコーラスワークなど、聴きどころの連続。特にシングルカットされた「はるかな旅へ」の希望に満ちた清らかさは素晴らしい。結成当初からどのアルバムも高いクオリティを誇るゴダイゴだが、それでいて常にポップな感覚をキープしているところも彼らの大きな魅力の一つだ。ゴダイゴの最高傑作に挙げるファンも多い本作は、この後に脱退することになるスティーヴ・フォックス(B)が参加した最後のオリジナルアルバムでもある。
- 1979年
- 2021年
- ゲスの極み乙女