Discovery

Discovery

このアルバムから生まれた特大ヒット曲「One More Time」「Harder Better Faster Stronger」「Digital Love」は、博識なポップリスナーにはもちろんのこと、ウェディングパーティーのDJにも重宝された。それ以外に「Aerodynamic」のメタルギター風のサウンド、「Veridis Quo」で描かれるSF的な幻想風景、「Face to Face」でTodd Edwardsが繰り出すUKガレージなど、他の収録曲はアルバム全体の方向性を壊すことなく、スタイリッシュな無数の音世界を見せている。“エレクトロニックミュージック”の言葉の響きはなんとなく未来を連想させるが、音楽としてはクラシックロックと同じくらいなじみやすくて心地良く、それでいて感情の深さはリアルそのものであることが証明された。 『Discovery』からEDMへ続き、そこからテクノやロックへと派生する流れは容易に想像がつく。だが過去にさかのぼればビートルズの『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』、あるいはザ・ビーチ・ボーイズの『Pet Sounds』や『Smile』にたどり着く。ポップを芸術形態として真摯(しんし)に捉えると同時に、ともすればださいと思われがちなひと昔前のスタイルを、前衛的で新鮮な視点から再構築した作品だ。だが何よりも、ダフト・パンクが狙ったのは普遍性。ロボット風のヘルメットをかぶった2人のフランス人には到底ありえそうにもないが、ダフト・パンクは『Discovery』で普遍的な存在になった。

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