プロフィール非公開、ノンプロモーション、完全自宅録音という、極度にマイペースな制作スタイルにもかかわらず、またたく間にファンを増やしてしまったカーリー・ジラフの3枚目にあたるアルバム。暗黙の了解であるその正体はグレイト3の高桑圭であるが、これらは彼が望む先入観を持たれずに聴かれたいという願いによるものだ。本作も過去の作品と変わらず、作詞作曲からレコーディングまですべてひとりでおこなわれており、レイドバックした空気に変わりはない。しかし空間処理や音の鳴りは、それを想起させない仕上がりに「進化」したようにも聞こえる。’60sバブルガムポップを土台にしつつも’70sウエストコーストなハイトーンヴォーカルが涼しい "Forbidden Fruits"、絶妙なコーラスから彼がどんな音楽を愛してきたかが一瞬にして伝わってくる "On Cloud Nine" 、一筆書きのシンガーソングライター作品では終わらない秀逸なアレンジが目を惹く "Run Run Run" 、青春期の翳りと光のコントラストがまぶしいアドレッセンストラック "Fountain of Youth" 、明るく未来を照らすかの軽妙なアレンジが心を軽くさせる表題曲 "New Order" など、3作目のカーリー・ジラフは、シンガーソングライターのアルバムという枠には収まりきれない、あふれでるアレンジがまぶしいポップアルバムとなった。
カーリー・ジラフのその他の作品
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