このアルバムの根幹にあるのは、優しさだ。前作『scent of memory』より約2年半ぶりとなる7作目のオリジナルアルバム。その間にSEKAI NO OWARIは数々の話題曲を生み出した。ユニークなダンスの振り付けとともに世間を席巻した「Habit」、爽やかな気分をもたらすCMソング「ターコイズ」、Saori（Piano）がボーカルを取るテレビドラマのテーマソング「バタフライエフェクト」、迷ったときに勇気を授けてくれるテレビアニメ主題歌「最高到達点」。Fukase（Vo）、Saori、Nakajin（G）という3人のソングライターによる楽曲がバランスよく収められ、多種多様なアレンジも楽しめる。また、「深海魚」では逃げ場のない感情を描きながら、深海に潜った生き物だけが持つ生命力の強さを歌う。タイトルの『Nautilus』とは“オウムガイ”を意味する言葉で、オウムガイは海の生存競争から逃げるために深海に移り、白亜紀末の大量絶滅期を生き抜いたとされる。弱さや逃げの中から生まれる強さもあるという優しいメッセージが、本作の根底を成しているといえるだろう。