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ダニエル・ホープの曽祖父はアイルランドのウォーターフォード出身という。南アフリカ生まれのヴァイオリン奏者ダニエル・ホープは、自身のルーツを深く掘り下げるかのように、この刺激的なアルバムでアイルランドの伝統的な曲やクラシック作品を熱く奏でる。伝統的な曲として最初に登場する「Morning Nightcap 」で、ホープはLúnasaというグループのホイッスルやイリアン・パイプスと生き生きと交感し、さらに風味の強い舞踊曲「The Minor Bee」でも共演している。また、Air Ensembleのミュージシャンたちはホープのもう一つのメインパートナーであり、はじけるような舞踊曲「The Red-Haired Boy」や、「オキャロラン:キャロランの音楽への別れ」で胸にしみる演奏を聴かせる。 クラシックの作品でホープは、18世紀のダブリンで愛された作曲家ヴィヴァルディの『2つのヴァイオリンのための協奏曲第5番 イ長調 RV519』と、アイルランドの作曲家Ina Boyleが1926年に書いた狂詩曲「Phantasy」を取り上げる。また、サー・ジェイムズ・ゴールウェイと夫人のJeanne Galwayのフルートを加えたいつ聴いても心に迫る「Danny Boy」は、ホープの企画によるもので、アルバム全体を貫く愛情と共感を感じさせる。