ether [エーテル]

ether [エーテル]

レミオロメンの代表作の一つにして、多くのファンに愛され続けている2作目のフルアルバム。好評を得た前作『朝顔』(2003年)から1年4か月ぶりとなった本作で、彼らが共同プロデューサーに招いたのは小林武史だった。その効果は大きく、作品全体を通して特徴的なのは、それまでの3人によるバンドサウンドから音楽的な幅を広げた点だ。特にストリングスやキーボードなどがふんだんに使用された、サイケデリックな匂いさえ放つ「永遠と一瞬」と「深呼吸」、先行シングルにして人気曲の「南風」などはその最たるものだ。自分たちの音楽をポップミュージックとして意識する一方で、鳴らす音楽の意味を巡る思考のせめぎ合いは、結果的にバンドそのものの間口を拡大したといえる。また、傑作バラード「3月9日」は、2004年のリリース当初は大ヒットに至らなかったものの、その後に評価を高め、現在では国民的な卒業ソングとして親しまれている。同シングルのリリースからちょうど1年後の2005年3月9日に発表された本作は、2000年代の音楽シーンを鮮やかに彩りながらも、変革に向かって格闘する若き日の彼らの野心を刻み込んでいる。