フレデリック・ショパンが少年時代を過ごしたワルシャワで、1960年に開催されたショパン国際ピアノコンクールを18歳で制したマウリッツィオ・ポリーニは、その後、現代最高峰のショパン弾きの一人として、確固たるポジションを築き上げた。このイタリア、ミラノ出身の名手は、テンポの伸縮を適度に抑えた、よどみのない、爽やかな演奏で、楽曲自体に語るべきことを語らせることができる、達人中の達人である。2017年にリリースされたこのアルバムは、晩年のショパンが体調を崩し、恋人だったジョルジュ・サンドとの関係にも問題が生じる中で書いた作品を集めたもので、精妙かつ崇高な楽曲を、ポリーニによる、華やかになり過ぎない抑制の効いた演奏で聴かせてくれる。
- 1984年
- ラファウ・ブレハッチ
- マリア・ジョアン・ピリス
- ダニール・トリフォノフ