1950年代ジャズの先駆者と評価されたチェット・ベイカーの名アルバム。トランペット奏者としてだけでなく、中性的でリリカルなヴォーカリストとしての彼を決定付けた本作は、クールジャズから派生したウェストコーストジャズを代表する作品となった。1930年代〜1940年代のスタンダードナンバーが多く、彼の脱力感ある甘い歌声の表現は、高く評価されている。激しいアドリブや演奏の掛け合いではなく、音数を少なく抑制し、クールで都会的なヴォーカルに合わせるように、ドラムやピアノもミニマルな浮遊感を漂わせ、静的な世界観が大きな魅力となっている。
その他のバージョン
- ジョニー・ハートマン & ジョン・コルトレーン
- サラ・ヴォーン
- エラ・フィッツジェラルド & オスカー・ピーターソン
- エラ・フィッツジェラルド & ルイ・アームストロング