Back To The Pops

Back To The Pops

「僕は16歳の時にバンドを始めたのですが、もしその時にこのアルバムがリリースされたとしたら大好きになるだろうな」。GLAYのTERU(Vo)は17作目のアルバム『Back To The Pops』について、Apple Musicにそう語る。2024年にデビュー30周年を迎えた彼らは、このアルバムを通して自分たちの中にある“Pops”を見つめ直した。「音楽の魔法に魅せられて以来、僕たちが愛した音楽はシンプルに言うとすべて“Pops”でした」と、TAKURO(G)は言う。「どんなに激しいサウンドだろうが難解だろうが、あの日の僕の心を捉え共鳴したその音たちは、僕にとって間違いなくポップミュージック。今、改めてポップミュージックへの恩返し、先祖帰り、帰省といったところでしょうか」 本作に収められた楽曲のスタイルは、ハードなロックや優美なバラード、軽やかなミドルテンポチューンなど実に幅広い。ポップなメロディとドラマ性のある歌詞の表現は徹底的に磨き上げられ、そのすべてがGLAYらしく、心にすっとなじむ。そして全曲を聴き通すと、GLAYにとっての“Pops”とは何か、その核心が見えてくる。それはつまり、GLAYの音楽を愛する人々の期待に応えた結晶のようなものと言えるかもしれない。人々はその誠実さにずっと魅了されてきた。 GLAYの4人はGLAYらしくあるために、本作でも多くのサウンドアプローチを試みている。注目すべきポイントとして、HISASHI(G)は「さまざまな楽器のアンサンブルとゲストミュージシャンとの共演」を挙げる。ENHYPENのJAYと共演した「whodunit」、ピエール中野と清塚信也が参加した「なんて野蛮にECSTASY」、チャラン・ポ・ランタンの小春がアレンジを手掛け、HIDE(GRe4N BOYZ)がコーラスに参加した「Back Home With Mrs.Snowman」など、ゲスト参加曲は本アルバムに効果的なアクセントを加えている。前述の「なんて野蛮にECSTASY」と「Romance Rose」の2曲にゲストドラマーとして参加したピエール中野(凛として時雨)とのレコーディングを振り返り、JIRO(B)はこんなエピソードを共有してくれた。「彼は学生時代にGLAYを聴いていた世代と前から言ってくれていて。だからなのか、今回も楽曲の理解度がとても高く、1テイク目から最高のプレイを披露してくれました。セッションではもちろん、その後の飲みの席でもメンバー全員と大盛り上がり。それも含めてすごく良い思い出です」 ポップミュージックと真摯(しんし)に向き合い、リスナーに対して誠実な思いを持ち、そして何よりバンドメンバー4人で音楽を楽しむ。デビューから30年を経た彼らがただひたむきに取り組んだ本作は、GLAYというバンドが愛される理由そのもののように感じられる。

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