

1992年、16歳の高校在学中に初リーダー作『Eijiro Nakagawa & Funk '55』を録音して鮮烈なデビューを飾ったトロンボーン奏者/作曲家、中川英二郎が1995年にリリースしたセカンドリーダー作。今作も前作同様、ニューヨークで録音されている。Anthony Wonsey(P)、リューベン・ロジャース(B)、カール・アレン(Dr)のリズムセクションを軸に、楽曲によってアルトサックスのAbraham Burton、トランペットのニコラス・ペイトンというニューヨークジャズ界の最前線で活躍するミュージシャンがソリストとして参加。また日本からもアルトサックスで山田穣が1曲参加している。楽曲はハードバップでおなじみのスタンダードと中川自身のオリジナルで構成。1分にも及ぶ無伴奏のトロンボーンソロから高速スウィングへ突入する「Oleo」、リューベン・ロジャース、ニコラス・ペイトンとのインタープレイが楽しめる「Ain't Misbehavin'」、山田穣と手に汗握る掛け合いをみせる中川のオリジナル曲「Pins and Needels」、Abraham Burtonを迎えたグルーヴィなスウィングが心地よいコルトレーンの名曲「Moment's Notice」まで、白熱したジャズセッションを堪能できる。初々しさを残しながらも、ニューヨークジャズ界の精鋭たちに果敢に立ち向かう中川英二郎の演奏がすがすがしい作品。