「アトランタは特定のサウンドというより、ジャンルや感情が同居している街だと思う。まさにるつぼだ」とアッシャーはApple Musicに語る。2018年、アッシャーが自身の40歳の誕生日に合わせて地元アトランタにオマージュをささげたサプライズアルバムには、プロデューサーのZaytovenとのコラボレーションにより、アトランタで5日間という短期間に生み落とされた8曲が収録されている。「カントリー一辺倒のナッシュビルとは違うし、ギャングスタ・カルチャーのロサンゼルスとも違う。独特の雰囲気を持つシカゴとも違う。アトランタはあらゆるものが溶け合っているんだ。メロディアスで、トラップもあり、ややR&B的。そういうものがすべて一つの曲に凝縮している」 「アルバムを作る予定は無かった。気付いた時には1曲どころの騒ぎじゃなくなっていたんだよ。とにかくどんどんアイデアが出てきた。会話の流れを基に、Zaytovenが瞬時にたくさん曲を作った。ものすごく自然な形だった」とアッシャーは振り返る。「誕生日にリリースしよう、って決めたのもリリースのほんの48時間前なんだ」。アルバムタイトルの『"A"』は、アトランタの頭文字。そして「Stay at Home」にはフューチャーが、「Gift Shop」にはガンナがフィーチャリングされている。2人はいずれもアトランタ出身のアーティストだ。アルバムには、まるでアトランタへのラブレターと言わんばかりの愛情が込められ、そこからは40歳を迎えるに当たり成熟した大人の余裕を自ら楽しむ姿が浮かぶ。「曲が作られた時の自由な雰囲気を感じてほしい。その場の流れで進んでいった感じを味わってほしい。僕とZaytovenの間に流れた最高の瞬間を彩るサウンドトラックを、ぜひ一緒に祝ってほしい」