

アルバム冒頭曲 “NUM-HEAVYMETALLIC” の、どこまでも続くかのような残響をはらんだダビーなドラムの鳴り、”和” そのものと言える民謡的メロディと向井秀徳による都市生活者の悲哀と性を唄うラップ、ポストパンク影響下の突き刺さるような金属的ギター。このどこまでもオリジナルでオルタナティブな組み合わせによる衝撃の数十秒こそがこのアルバムを象徴している。プロデューサーは前作 「Sappukei」 と同じく、デイヴ・フリッドマン。それまでのジャパニーズ・ロックの常識からすれば完全にオーバー・レベルな音圧で仕上げられた音像そのものが驚きであり、非常に快楽的かつ啓蒙的でもある。このアルバムがどれだけの日本人リスナーの耳の趣味嗜好を広くこじ開けたか分からない。解散前にリリースされた最終作ではあるが、バンド瓦解の悲しみよりも幾多の可能性とヒントに満ちた底知れぬ混沌に心踊らされる名作だ。