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バンドの持つ生命力とエモーションがあふれる、デビュー35周年記念アルバム。ドラマーである茂木欣一が作曲した「Wings Of Phoenix」などのインストナンバーでは、9人のメンバー全員が卓越した演奏を披露し、その技量が際立っている。茂木はまた、「トーキョー・デッド・ヒート」のナレーターとしても知られる人物だ。そして、アニバーサリーを祝うように集まった多彩なゲストボーカル陣とのコラボレーション楽曲はいずれも最高の出来になっている。「風に戦ぐブルーズ feat. TAKUMA」はタイトルが示すようにブルージーな歌が繊細に響くナンバーで、ドラマ主題歌となった「教えてウロボロス feat. 宮崎朝子」はマイナー調のメロディラインが歌の主人公の複雑な内面を見事に表現する。いつものように谷中敦(サックス)がすべての歌詞をつづっているが、その多くで大人故の苦みや切なさを表現しているのが本作の特徴の一つ。これは菅田 将暉が参加した「散りゆく花のせいで」のようなラブソングにも言えることで、タフでセンチメンタルで、ロマンチックでもあるそのイメージは、東京スカパラダイスオーケストラが長年にわたって音楽シーンを生き抜いてきた姿と重なって見える。ポップでありながらリアルでもある、このバンドを映し出したアルバムを聴いて、彼らの熱い魂を受け取めてほしい。

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