泡沫の夢は幻に

泡沫の夢は幻に

日本のみならずアジアでも人気を獲得している3ピースバンド、あたらよ。サードアルバム『朝露は木漏れ日に溶けて』から1年ぶりとなる本作は、2度目のアジアツアーに併せて発表された。“すぐに消えてしまうはかないもの”を意味する“泡沫夢幻(ほうまつむげん)”の4文字を含むタイトルは、はかなさと幻想性を内包するバンドの作風を象徴している。確かに手にしたはずなのに瞬く間に消えてしまう感覚や、胸の奥でかげろうのように揺らめく誰かの存在。不確かな現実の世界をさまよう人々の心模様を、移ろう風景に重ねた楽曲は、静かな川の流れのような悲しみに満ちている。しかしその水面には時折、力強い生命の輝きが差し込み、明日への小さな一歩を照らし出す。ひとみ(Vo/G)の研ぎ澄まされた歌声が心を揺さぶる物語を描き、最後に梶原岳人への提供曲でまーしー(G)が初めてメインボーカルを取る「夢現、夏風薫る」のセルフカバーが、映画のエンドロールのように響く。テレビアニメテーマソング「ツキノフネ」を含む全8曲を収録。