

ポートランド出身のアミーネは2016年にユルめのチルソング「キャロライン」でブレイクし、そのフロウやミュージックビデオからはANDRÉ 3000やタイラー・ザ・クリエイターをほうふつさせた。それから10年近くかけ、彼は陽気で浮き立つビートをふんだんに盛り込んだウィットに富む、それでいて核心を突くような独自のスタイルに行き着いた。実体験を基にしたセカンドスタジオアルバム『Limbo』(2020年)のリリース後、ハイパーポップにトライしたミックステープ『TWOPOINTFIVE』(2021年)、KAYTRANADAとコラボレーションした『KAYTRAMINÉ』(2023年)を経て、本作『13 Months of Sunshine』は久々のスタジオアルバムだ。現在31歳のアミーネは、どうやら5つ星ホテルでの長期バケーションモードのようだ。 「ただ今休暇中(I’m O-O-O)」を告げるメールのごとく、ディープハウス色の濃い「Familiar」と「Vacay」でのアミーネは、「Dua Lipa気取りで(on my Dua Lipa)」ホテルのバスローブに身を包み、スプリッツ(白ワインのソーダ割カクテル)を2杯あおる。「Arc de Triomphe」ではザ・ストリーツをサンプリングしたUKガレージのシャッフルに乗せて、大西洋の対岸へと飛び立つ。だがアフォガートやプールに明け暮れるばかりではない。Leon Thomasとのデュエット曲「New Flower!」では、COMPLEXやDef Jamでインターンをしていた時代を振り返り、ビッグ・ショーンのためにサンドイッチのパシリに行かされたエピソードを披露。「13MOS」では曲調がアフロビーツにがらりと変わり、エチオピアとエリトリアの家系に思いをはせ、「俺の名前はじいちゃん譲り/誇り高いこの名を汚すわけにはいかない(“I was named after my grandfather/So, I can’t put shame to the name I’m proud of.)」とラップする。