FNF

FNF

「ファーストアルバムなので、自分がやりたいことを詰め込みました」。ヒップホップとの出会いから始まった夢物語の新たな1ページとなる初のソロアルバム『FNF』について、Tiji JojoはApple Musicに語る。BAD HOPの一員として、日本のヒップホップシーンの頂点を極めたラッパーのTiji Jojo。2024年のグループ解散を経てリリースされた本作は、BAD HOPとして追い求めた成功への道から、彼個人の夢やファンタジーの追求へと大きな一歩を踏み出した作品といえる。客演に、地元川崎の先輩であるJJJ、後輩のDeechをはじめ、ブラジルにルーツを持つ岐阜出身のMaRl、東京とアトランタを拠点としているRashelをフィーチャー。2チェインズを手掛けるアトランタ在住のBig PapitoやJIGG、ineedmorebuxがプロデューサーとして参加している。「アルバムタイトルは、自分が子どもの時から放送されている『金曜ロードショー』のテーマソング「Friday Night Fantasy」から引用しました。今も変わらず金曜日を楽しみにしていることを表現したくて、ファンタジーのような現実の世界をテーマにしています」。「NRE.」に象徴されるヒップホップの成り上がり精神を胸に抱き、ヒップホップゲームをメロディアスなフロウで巧みに乗りこなすラッパーとしての魅力と、そのゲームの非日常性を冷静に見つめ、実直に今と向き合う心情を歌いつづった「SOSOGU」に見られるプライベートな側面が共存する本作。夢のような現実、リアルな夢を生きるTiji Jojoの表現世界がこの16曲に広がっている。ここからは本人に楽曲ごとに解説してもらおう。 Friday Night Fantasy 子どもの時から今も変わらず、金曜日は自分にとって特別な日。アルバム全体のオープニングソングで、映画が始まる前のワクワク感を演出したいと思いながら制作しました。『金曜ロードショー』のテーマソング「Friday Night Fantasy」のピアノロールをサンプリングしています。 Ayye アトランタ在住のプロデューサー、Big Papitoのビートを使用しています。出会ってから2年以上たちますが、一緒に作った楽曲がリリースされるのはこれが初めて。地元川崎で過ごす自分たちのありのままの姿を歌いました。 Go Up (feat. MaRI) この曲は自分が好きなトラップ感で、BPMやビートの上ネタも自分好みの曲です。ビートを手掛けたineedmorebux君は、日本のプロデューサーの中でも大好きな一人。「Go Up」というかなりシンプルなタイトルで、歌詞はとにかく上がることにかけて歌ってます。フックとバースができてからMaRIに連絡してバースを入れてもらいました。アグレッシブで勝ち気な彼女のリリックが好きでお願いしたのですが、想像通りでした。 Rainy Miami 昨年12月にRolling Loudを見に行った、マイアミ滞在中の時のことを歌っています。マイアミには今までに2回行っていますが、いつも雨が降っていました。滞在期間中にBig Papitoがこの曲を送ってくれて、すぐに気に入ったビートです。その時の出来事をそのまま歌詞にしました。 Precious このビートは、セクシードリルを作りたいなと思ってJIGGさんに作ってもらいました。このアルバムの中で唯一のドリルビートで、気に入ってます。アップテンポな曲が今回多くないので、ひときわ目立つ曲。 Why Do You Like Me 昔に作った曲。かなり緩い曲ですが、自分にあれこれ言ってくるヘイターや、何かと付きまとってくる鬱陶しい人に向けて歌ってます(笑)。 Baccarat トランプゲームのバカラとグラスのバカラにかけて歌ってる曲です。これも昨年アトランタに行った時に収録しました。歌詞のテーマは“勝つまでやるから負けない”。テレビの企画でT-Pablowと一緒に韓国にバカラをしに行った時、彼が言った言葉がずっと頭に残っていて、それを歌詞にしました。 Mr. G (feat. Deech) 今まで自分が見てきた人たちを題材にしました。タイトルの「G」には「Gangstar」と「Genius」の二つの意味があります。この曲ができた時、地元の後輩のDeechにやってもらいたいと思いました。同じ地元で育ってるし、同じ目線で歌ってくれるんじゃないかなと思い、曲を送ったら速攻でバースを返してくれた。聴いてみたら完璧で笑いました。 ソファの上 今でも僕ソファの上で眠っちゃうことがあります。ふとした時に、ずっとこうやって過ごしてきたなと思い、それを歌詞にしました。 Party Girls (feat. Rashel) このビート感は個人的に大好きで、歌詞もすらすら出てきた。自分が見てきた"Party Girls"をそのまま歌にしました。客演のRashelちゃんはアトランタ在住のアーティストで、アトランタに行った時に一緒にストリップやクラブに行って遊んでたんですけど、彼女もかなりParty girl。この曲にぴったりだなと思ってお願いしました。 Malibu Dream 2021年に初めてロサンゼルスのマリブに行って、一瞬でここ好きだなと思いました。単純にいつかここに住みたい(笑)。この歌は自分の夢を歌ってます。 Sky-Dweller 初めて僕が買ったロレックスはSky-Dweller(スカイドゥエラー)というモデルで、自分が買ったものの中でも一番思い入れがあります。この時計のSky-dwellerって言葉には色んな意味がある。直訳すると「空の住人」で、ロレックスが世界中を飛び回る人々や旅行者のために作った時計。その意味を知ってから、ずっとこれを題材にした曲を作りたいと思っていました。時差にも惑わされずブレない時計っていうのが、ただただカッコいい。 4season このビートのギターが大好きで、歌詞も季節の変わり目を感じられるような曲にしたかった。自分にとっての哀愁はこういう感じで、ミュージックビデオも気に入ってます。 SOSOGU (feat. JJJ) 地元の先輩でもあるJJJ君と一緒に曲を作りたいとずっと思っていて、今回この曲で実現しました。最初のバースを元々埋めないでイントロとフックと2バース目を作っていた。最初のバースをお願いする時すぐにJJJ君が思い浮かび、最高のバースが返ってきて感動しました。 NRE. アルバムの中で最後に作った曲。自分が曲を作る時に一番大事にしてるテーマで、自分が音楽活動していく意味とか理由を歌ってます。ヒップホップはやっぱり成り上がりが醍醐味。自分が好きになったヒップホップの精神性や大きなトピックがそうだったから、自分のアルバムでも外せなかった。 Crazy Life いろいろあるけど今が一番って曲です。アルバムを作る時に一番最初にちゃんと完成させた曲で、フロウの抜け感やトピックも気に入ってます。アルバムのまとめみたいな曲になればいいなと思って最後の曲にしました。