Lonerism

Lonerism

2012年リリースのこのセカンドアルバムで、Tame Impalaは大きな飛躍を遂げた。気鋭のインディーバンドとして、1960年代のサイケデリックロックにオマージュをささげた前作『InnerSpeaker』から一転、 本作ではシンセやドラムマシンも大胆に取り入れ、サイケなギターの音色を覆う深いリバーブの中からメロディの輪郭がくっきり浮かび上がってくるポップなエレクトロサウンドにもチャレンジしている。その一方で、アルバムのテーマである孤独主義 (Lonerism)を象徴するかのような内なる探求を見せるアンビエントや、1970年代のソフトロックやプログレッシブポップの影響を色濃く感じさせるマニアックなギターサウンドも健在だ。つまり、本作はTame Impalaがノスタルジーとモダンネスのちょうど端境期にあったことを示すアルバムだ。バンドが完全に覚醒し、変容する直前のカオスが本作のサウンドをよりカラフルに分裂させており、そういう意味ではやはりサイケデリックなアルバムだといえるだろう。本作はオーストラリアのローカルバンドだった彼らが世界に注目されるきっかけとなった一作である。

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