

ラファウ・ブレハッチはポーランド出身のピアニスト。20歳で出場したショパン国際ピアノコンクールで優勝し、副賞も総なめにして注目を集めた。ドイツグラモフォンとの契約後もショパン作品のアルバムを多くリリースしてきたが、本作では初めてバッハの楽曲を録音。ピアノを始める前、幼い頃に地元の教会でオルガンを弾いていたという彼にとって、バッハは特に重要な存在だ。詩的な表現よりも、もっと大切なものがあるのだと言わんばかりにバッハ作品を演奏しており、ひとつひとつの音符と真摯に向き合うことで、作曲時のバッハの思いに限りなく近づきたい、そんな強い意志が垣間見られる。ピアノの誕生前に書かれた曲ではあるが、ブレハッチの演奏を聴いて、バッハの楽曲の真意を想像してほしい。