

1700年ごろにチェンバロの後を継ぐようにしてシーンに登場したピアノは、現在私たちがクラシック音楽と呼んでいるジャンルにおいて、最もポピュラーな楽器の一つであり続けてきた。バッハが主に教育用の練習曲として、あるいは室内楽の新たな試みとして書いた楽曲や、ベートーヴェンが作曲の技巧や様式を進歩させるために、そしてもちろん美しい音を響かせるべく書いた作品などからも分かる通り、ピアノの多様性は、いつの時代も人類が音と空間を探求する上で欠くことのできないものだった。そして20世紀になると、クロード・ドビュッシーやモーリス・ラヴェル、フィリップ・グラスといった作曲家たちが、既成概念を覆し、ピアノで奏でる音楽の可能性を大きく広げた。