

米ニューヨーク、ブルックリンに生まれたSam EvianことSam Griffin Owensは、ソロシンガーソングライター/演奏家として活動しながら、同時代のインディーロックの名作を数々手掛けるプロデューサーとして充実したキャリアを築いているアーティストの一人だ。21世紀のフォークサウンドを発展させるBig Thiefや、そのデリケートな楽曲と詩的な歌い口で知られるCass McCombsなど、現代インディーロックの良心といえるアーティストが、その可能性を最大限に発揮できるようプロデュース面から支えてきた。自身の作品を聴くと分かるように、そこにはほのかなサイケデリアがにじみ、それでいて柔らかなグルーヴを失わない柔軟さがある。この微熱を帯びた感覚は、彼がプロデュースする作品でも失われることのない大きなチャームポイントの一つでもある。