

戦後の日本のジャズ界を代表するビッグバンド。1951年、サックス奏者/作曲家の原 信夫が中心となって結成された。これまでダンスバンドとしての役割が多かったビッグバンドを、演奏をメインに聴かせるコンサートビッグバンドのスタイルへ昇華させ、日本に本格的な“ビッグバンドジャズ”の文化を根付かせた。原 信夫による厳しいトレーニングと統制に裏打ちされた鉄壁のアンサンブルと、三保敬太郎、前田憲男、山屋 清など、当時若手だった新鋭の編曲家を次々に起用した洗練されたアレンジで、海外の有名ビッグバンドのモノマネではない独自性を打ち出した。国内だけでなく世界各地でコンサート演奏活動を行い、1967年には、日本人のバンドとして初めてNewport Jazz Festivalに出演。1969年には、米トップアレンジャー/作曲家としても知られるオリヴァー・ネルソンを招聘(しょうへい)してアルバムを制作するなど、世界トップレベルのビッグバンドとしての地位を確立させた。また美空ひばりや江利チエミなど、人気歌手との共演や、NHK紅白歌合戦の演奏を務めるなど、ジャズ界だけでなく昭和の歌謡界の発展にも貢献した。2008年、結成57周年を区切りにリーダーの原 信夫が現役引退を発表、全国でファイナルコンサートツアーを行い、その栄光の歴史に幕を閉じた。時代を経てもなお、決して色あせない日本が誇る“ビッグバンドジャズの最高峰”の名演を楽しもう。