

音の美学のある暮らし #44-45 光景の住宅
音の美学のある暮らしMODERN LIVING MUSIC STYLING
幾何学的な、と表現されるギル・メレの音楽。ミュージシャンであると同時に画家/デザイナーとして美術界でも活躍したこのサックス奏者の作品には、有機と無機とが交じり合ったような独特のリズムがあります。そのアンサンブルは天体の運動を連想させるもので、ある種の器楽曲やクール・ジャズ作品のなかにはそうした楽曲が少なくありません。今回はそんななかから、こちらの邸宅に感じられる静的な静謐と、太陽光がもたらす時の感覚に寄り添うような音響を意識しました。静謐さのなかにも幾ばくかの穏やかさと律動感、1 曲のなかでシーンが移り変わるような展開をもつ楽曲たちです。