

ロシア出身のセルゲイ・ラフマニノフはクラシック音楽の歴史にその名を刻む大作曲家であると同時に、1917年に母国を離れてヨーロッパとアメリカを渡り歩きながらコンサート活動を行うようになってからは、史上最高のピアニストの一人として各地で大きな人気を博し、絶賛された。幸いなことに私たちは、不世出のピアニストだった彼の驚異的なテクニックと際立った表現力を今に伝える録音を聴くことができる。ご存知の通り作曲家としてのラフマニノフは、4つの壮大なスケールの協奏曲を含む膨大な数のピアノ曲を遺してくれた。一方、ピアノを離れても彼の音楽は素晴らしく、オーケストラのための作品や合唱曲で美しい響きを生み出す並外れた才能も見逃してはならないだろう。